グランドセイコーは、少なくともアメリカでは今やセイコーとはまったく別の会社だ。しかしSBGN007の場合、必死に距離を置こうとする両社をつなぐ強い結びつきがある。グランドセイコーにはダイバーズウォッチに関する歴史的な前例はない。それはすべてセイコーによるものだ。しかしダイバーズウォッチに参入することは“新生”グランドセイコーにとって非常に重要な意味をもつ。
グランドセイコー 偽物ヘリテージ トラディショナル キャリバー9F 25周年記念 限定モデル SBGN007
グランドセイコーが日本(国内)市場のみで展開していたころは目立ったダイバーズモデルはなかった。それだけにダイバーズウォッチに関して、グランドセイコーがセイコーの遺産を基にしたということは理にかなっている。時計製造の技術や知識、そしてダイバーズウォッチ特有の評価基準はブランド間で共有されているのだ。例えばSBGN007にはセイコーのSLA041(日本ではSBDX035)のL型ガスケットがそのまま使われている。また、ケースの複雑な曲面は1967年に発売されたセイコーの6215と同じパターンを踏襲している。
これこそがグランドセイコーのダイバーズ、特にSBGN007の最大の魅力だ。このラインはセイコー初のプロフェッショナルダイバー(6215と6159)が築いたデザインの先例から脱却し、過去50年以上にわたって絶えず完成されてきたエンジニアリング技術を中心に新しい視覚言語を創造するチャンスをグランドセイコーが提供することを意味している。この時計のデザインは、現在は同社を退社した久保 進一郎氏が担当した。現在、デザイン部門は彼の後任である鎌田淳一氏が率いている。鎌田氏はSBGN007が優れたダイバーズウォッチである所以を明らかにした。
彼はグランドセイコーの代表モデルの要素を取り入れたケースについて「44GSや62GSからインスピレーションを受け、腕の上で力強く輝くフラットな面を取り入れた」と述べた。