ファッションビジネスのトレンド分析

大阪の商業エリアの中心部に位置する心斎橋は、高級ブランド店が軒を連ねる一等地として有名である。御堂筋は、両側の銀杏並木が印象的な6車線の幹線道路で、道行く人々は、緑が生い茂る通りに並ぶ高級ブティックや現代建築を楽しむことができる。ベル&ロスのふたつ目の旗艦店は、御堂筋と長堀通りの交差点から数分という好立地。大阪の主要な観光地である道頓堀にも近く、若者たちで賑わう心斎橋は、まっすぐブティックへと続いている。2021年、Bell & Ross 日本初のブティックが東京にオープンし、一年が経ち、ブランドは日本国内での展開を後押しするため、2店舗目を大阪にオープンすることを決めた。

BELL & ROSS 心斎橋ブティック

ブティックのブラックの外観にも、ブランドの率直なアプローチと無駄な演出を一切許さない、という信念がはっきりと表れている。ガラスのショーケースは、ブランドの基礎的なコードである航空の世界を表して、航空機の機体のように軽量で耐性のある構造をイメージしたものだ。屋内外のショーケースはそれぞれ、航空、ダイバー、F1®、アーバンというベル&ロスが掲げる4つのテーマに関連づけられている。コレクションのすべてを取り揃えているのは、世界でもこの大阪店を含め、限られたブティックのみである。

無駄な演出を一切許さない外観

店内のインテリアはすっきりとしたモダンなデザインだ。メインの空間は、無機質感を創出している。このエリアはすっきりとした素材の柱を用いて、ブランドを象徴するカラーで、航空機のダッシュボードの色である黒を基調とした黒大理石で空間が仕切られた。ミラーリングされた柱の究極の輝きは、ディスプレイユニットのショーケースとして機能する柔らかく反射する陽極酸化アルミニウムとは対照的である。

コンクリートの床は滑走路や航空機の格納庫を彷彿とさせ、天井の照明は滑走路の標識灯がモチーフ。ブティックの中央には、光を放つ大型のキャビネットが設置されている。透明ガラスとすり加工を施したプレキシガラスの組み合わせでデザインされ、発光するトーテムのように設置された。ここでは、象徴的なモデルが陳列され、ブランドの世界観を表している。

お客様専用エリア

寛ぎの空間であるこの第二スペースの中央では、大理石のコーヒーテーブルにあうデザイナーズチェアが入念に選ばれ、より落ち着きのある雰囲気をつくり上げている。コンクリートの硬さをうちやぶる白のカーペットによって、柔らかさがもたらされ、棚の後ろに設置されたスクリーンには、ブランドの歴史や新作情報などが映し出される。